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Vol.11 - 2
2004/01/10発行

東野 哲也  新任教授の御挨拶 

   高次機能医科学講座
    耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野(旧耳鼻咽喉科学講座)教授 東野 哲也
新しい難聴治療法の開発をめざして
野田寛教授の後任として、平成15年4月より耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野を担当させて頂いております。1981年に宮崎医科大学を卒業後、2年間の関連病院回りと2年間のミネソタ大学留学以外は同大学耳鼻咽喉科で臨床・研究・教育に従事して参りました。この度、図らずも琉球大学にアカデミックな活動の場を与えて頂き、これまで培ってきた臨床医としての、研究者としての、そして教育者としての職務を深めることができる喜びを噛みしめております。今後は教授職としての責務が加わりますので4足の草鞋をはくことになりますが、琉球大学医学科の一員としての誇りをもって精進して参る所存です。
 医学部の改組により、今年度から従来の「耳鼻咽喉科学講座」から、「高次機能医科学講座 耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野」と、教室の名称が変わりました。一般には「耳鼻科」という診療科名で親しまれておりますが、この部分は、聴覚・平衡覚・嗅覚・味覚・音声・言語・嚥下障害などを対象とした感覚運動系機能外科とも云える分野です。それとともに大学病院においては、頭頸部癌手術が大きなウエートを占めますので、再建外科を含めた「頭頸部外科」を付け加えました。あくまでも「外科学」の一分野としてのスタンスで関係診療科との連携を保ち、沖縄での新しい「耳鼻咽喉・頭頸部外科学」を展開したいと考えております。
 私はこれまで聴覚系を中心とした基礎研究とともに、耳科学を専門分野として中耳炎手術や聴力改善手術を数多く手掛けて参りました。この領域は最近10年の間に人工内耳や人工中耳などの人工臓器医療が加わって、予想もしなかったスピードで進歩しております。先進的な難聴治療を取り入れて沖縄県民に貢献することはもちろん、琉大発の新しい治療法を開発して世界に発信できるよう、教室員一丸となって取り組んで参りたいと願っています。在学生の皆さん、一緒に夢を追っかけてみませんか。お待ちしております。
 末尾になりましたが、「南風」へのデビューの機会を与えて頂きました増田会長に御礼申し上げます。 今後、琉球大学医学科同窓会会員の皆様にはいろいろとお世話になることと存じますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。