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Vol.12 - 1
2004/07/09発行

 − 留学生の目から − 
 
病原因子解析学分野(旧細菌学講座) 宋 天燕(中国留学生、博4)
 
 「私たちの体には何個の細胞がありますか」と考えたことがありますか?この素朴な疑問に捕らわれ、細胞の数を調べた研究者がいました。実は、私達の体にはおよそ160兆個の細胞が生きています。この内、60兆個の細胞は本当の自分のもので、残り100兆個の細胞は口腔や腸などに住む細菌であります。菌はこんなにも身近なもので、自分を知るには菌を知らなければいけないと思いました。こう思うようになったのは3年前、初めて細菌学の講義を受けたのがきっかけでした。岩永正明先生のあの例の「百万円儲かる初日の講義」でした。卒業生は皆知っていますよね。これから細菌学講義を受ける後輩も是非百万円を儲けるチャンスを見逃さないように。
 さて、細菌学講座の紹介ですが、正式名称は「琉球大学大学院医学研究科感染制御医科学専攻・感染分子生物学講座病原因子解析学分野」になっており、現在、岩永先生を筆頭に11人のスタッフで構成されています。当教室では、腸管病原細菌学を専門領域として、コレラ菌を中心にビブリオ科、エロモナス科、腸内細菌科の細菌を幅広く研究しています。特に、コレラは当講座開講(1983年)以来の最大の研究テーマであり、コレラ疾患に対する病理・疫学からコレラ菌の生物学、生態学、病原因子などを深く研究し、世界に誇る業績を積み重ねてきました。又、臨床・看護など各領域から研究に来る大学院生・研究生などにおいては、将来各々の担当分野で即応用できるよう研究テーマを選び、研究領域は尿路病原菌・気道病原菌から院内感染菌にまで手を広げています。更に、熱帯地諸国での活動は、細菌学に留まることなく現地住民・現地行政のニーズに答えた細菌感染症の疫学的研究にもかなりの力を入れてきました。
 大学院生として細菌学教室に入った私は、専門知識の学習とトレーニングを受ける以外、予想しなかった収穫がありました。それは日本以外の国々の研究者に出会え、何人かと友達になったことです。2001年4月に入講座(入局?)してから現在までの間だけでも、インドネシア・ラオス・ベトナム・ドミニカ共和国・タイ・アメリカ・中国から研究者が訪れ、国際交流が盛んに行われました。特に、当教室では東南アジアの国々と交流が多く、毎年何人かを教室から派遣すると同時に諸外国から研修生・共同研究員などを受け入れています。そして、今年からスウェーデン・ウメア大学との共同研究プロジェクトが始まり、夏には当教室から3人訪問し、来年は相手側から研修生を受け入れることになっています。因みに、今回の訪問は私も同行し、その後引続き三ヶ月間研修することになっています。とても楽しみにしています。
 細菌学教室に入ってから、学問の厳しさと楽しさを体で覚え、新しい発見と感動に満ちた日々を送っています。「ボスを選ぶのも能力のうち」と言われていますが、私の場合、他の先生に勧められてこのように恵まれました。この文章をご覧になっている皆さんもぜひ良いボスに恵まれますよう願っています。