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Vol.12 - 2
2004/12/01発行

笠田篤郎  臨床実習!改革の嵐のウラ側 

                  笠田篤郎(医学科 5年次)
今年から臨床実習の進め方が変わりました。前期・後期・自由選択の3期制となり、前期で全科を1週間、後期にメジャーを1ヶ月、その他の科を2週間(期間が長くなるかわりに実習する科が限定される)、自由選択で希望する科を再び実習するシステムです。
 結果として、科によって実習期間に差ができました。前期後期で合わせて5週間と長く実習できる科があるかわりに、1週間しか実習できない科もあります。例えば、内科を5週間実習して産婦人科を1週間しか実習していない学生も出てきます。それについては自由選択でその不足の分を埋め合わせられるシステムになっています。
 このような変化は、臨床実習のクリニカルスカラーシップ化の流れを受けてのものと考えられます。さて、今回はそのような新しいシステムの中で学生が実習に対してどのように感じているのかを紹介したいと思います。
  • 現在の実習の進め方について
    • 希望する科をとれないことが多く、実習できなかった科目を学ぶ機会がなくなる
    • 1週間しか実習できなかった科は、本当に見学だけという形で終ってしまった
    • メジャー科は全て実習すべきだと思う
    *実習の進め方については否定的な意見が多かったです。自分の興味がある科の実習期間が短い学生もおり、希望どおりにならないことが原因のようです。
  • 内科や外科での実習期間が長くなったことについて
    • 担当患者さんとじっくり付き合えるので、症例に関してよく学べる
    • 1ヶ月の実習でも、グループを途中で変わると期間を長くした意味が薄れる
    • 実習期間が長いと飽きてダラダラしてしまう
    *内科や外科での実習期間が長くなり、実習内容面で良い点・悪い点があるようです。
 結論として、@実習する科が限定されてしまう現在の実習の進め方は、希望の科の実習期間が短い学生が多く、不満も多い。A実習期間が長いことと内容充実は関係なさそう。
今回の調査は実習途中の学生数人に答えてもらったものなので、これが全てを表しているとは言えません。しかし現時点では、今回の臨床実習のやり方には学生側に戸惑いがあるのは間違いないようです。将来の専門を決めるきっかけになりうる学生実習に関して、多くの学生の要望に応える臨床実習内容とシステム作りが求められていると思いました。
 
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