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Vol.13 - bP
2005/01/05発行

 巨星に引き続いて 

生体制御医科学講座 機能制御外科学分野 教授 國吉 幸男
 
 古謝景春教授の後任として、本年6月より機能制御外科学分野(旧第二外科)を担当させていただくこととなりました。昭和55年3月秋田大学医学部を卒業し、その足でさっそく琉球大学附属病院にて外科臨床研修を開始しました。以来今日まで、心臓血管外科学全般にわたり臨床的および基礎的研究を行ってきましたが、特に下記分野について研究を行ってまいりました。もとより所謂"臨床屋"であり、私の研究に対する基本姿勢は、"臨床現場からの問題点やアイデアを研究課題としてとらえ、臨床的、基礎的研究を行い、その成果を臨床にフィードバックする"ことであると考えております。1)心臓大血管手術には不可欠である人工心肺を含めた体外循環の病態生理に関する研究、2)後天性弁膜症の病態生理と手術手技および置換弁の長期遠隔における問題点、3)虚血性心疾患の各種バイパスグラフトに関する研究、また体外循環非使用下冠動脈バイパス術と補助手段に関する研究、4)沖縄県で特に発生頻度の高いBudd-Chiari症候群の病態生理と直視下根治術後遠隔成績に関する研究、5)胸部大動脈瘤の術後合併症に関する研究。学位は1992年、体外循環後の細胞間質水分量の動態を肺血管外水分量を指標としてとして測定して、体外循環の病態およびその水分貯留予防の臨床的、実験的研究で得ました。
 近年生活習慣の欧米化に伴い、現在では動脈硬化症を病因とした心臓血管外科学領域の症例も増加の一途を辿っており、その手術症例数の増加ならびに、近年の高齢化社会を反映して、他疾患を合併する重症高齢者患者で従来手術適応外の重症症例も多く手がけなければならない状況にあります。一般市中病院で治療が困難な最重症症例に対する、チ?ム医療を駆使した包括的医療の提供は大学病院の大きな使命の一つであると考えており、現在実践中であります。一方では、歴史的には、心臓血管外科が本格的に始まってまだ50年程度しか経っておらず、外科の分野としては未成熟の領域であります。同時にそれは、その発展に大きく寄与すべく活躍できる余地が残されていることを示すものと考えております。向後、外科学の発展および地域医療を含めた大学の発展に少しでも貢献すべく、教室員ともども、臨床・研究に全力投球する決意であります。我が教室への相変わらぬ御指導、御鞭撻を宜しくお願いいたします。