ホーム ⇒ 会報-Vol.13-1topAddiction
 
Vol.13 - 1
2005/01/05発行

 Addiction 

医療法人 晴明会 糸満晴明病院 平田 雄三(10期生)
 
 大学を卒業して10年目を迎えました。僕は卒業後より琉球大学付属病院の精神科神経科で研修を受けた後、精神科医師として仕事を続け、7年前より沖縄本島最南端にある精神科病院で働いています。この病院は沖縄県内では唯一『アルコール依存症治療専門病棟』を有しており、僕は今その病棟の医長をさせてもらっています。学生時代の僕を知っている人なら「本当に仕事できてるの?」と思われるのでしょうし、実際によく言われますし、僕もよく同じようなことを考えています。
 アルコール依存症の治療をはじめたばかりの頃は、酔っ払った患者さんと喧嘩したり、酒を隠し持ってはいないかと探したり、しつこく「飲まないように」約束をしたりなど医者の仕事とは思えないことばかりの毎日でした。同期生と会ってみんなの活躍話しを聞いても、僕からは仕事の話はできず焦りを感じたものでした。そういう体験をするとたいていの医者はアルコール依存者を嫌ったりするようですが、なぜか僕はそうはならずにそんな患者さん達と付き合い続けていて、今では一緒に悩んだり、喜んだりもできるようになり、少しずつですがやりがいも感じるようになっています。
 仕事のことはこのくらいにしておいて、その他の生活の話をします。医者になった年に僕はサーファーにもなりました。初めのうちは波のあるところまでパドルしていくのもやっとで、ボードの上に立てるようになるまでもかなりの時間を要しましたが、今は結構さまになっていると思います。職場のすぐそばに沖縄では有名なサーフポイントがあって仕事の後に入ったりすることもあります。学生の頃は海に入るのも嫌いで、まさか想像もしませんでしたが、今では海の上にいるのも僕の大切な時間になっています。
 一昨年からはなぜかランナーにもなりました。短い距離から少しずつ距離をのばしていって、これまでに那覇、沖縄マラソンのフルマラソンを2回づつ完走しています。最近は1日走らないとなぜか不安になるほどのハマリようです。現時点での目標はフルマラソンで3時間半を切ることと、100kmマラソンを完走する事です。トライアスロンについても考えてしまうこともあります。
 こんな感じで最近の僕は酒の力には(なるべく)頼らず、他の物に依存して楽しく生活しています。