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Vol.14 - 1
2006/07/05発行

 気遣いといたわりの心の中で 

血液浄化療法部 泌尿器科学 外間 実裕(2期生)
 
血液浄化療法部は、故大澤炯先生が琉球大学保健学部附属病院に着任されたときに設置された人工透析室を前身として平成6年に部に昇格しています。現在は小川由英泌尿器科教授を部長として副部長の井関邦敏先生以下、医員1名、臨床工学士2名、選任看護師1名、臨時職看護師4人で運営にあたっています。中核病院として重篤な合併症を持つ透析患者が地域の病院より各科の治療を受けるために転院してきており、その血液浄化を一手に引き受けています。患者さんは近年非常に増加しており、ここ数年は全国の旧国立大系の血液浄化療法部の中ではダントツ1位の年間症例数を誇っています。予算処置のベッド数は10床のみですが、月水金、火木土に午前・午後の2クール制を維持しており、沖縄県で唯一透析患者の結核治療ができる病院として出張透析をおこなったり、病棟やICUで持続透析を行ったりしてその仕事量はかなりのものです。部長、副部長は研究や出張などが多く実際の臨床の場に居ることは少ないのですが、カンファレンスや他科からの依頼があった場合には適切なアドバイスがもらえるようになっています。人手不足はどこでも同じでゴールデンウィークや年末年始も外来のように休みになるわけではないので人員の確保にたいへん難渋しています。また台風のときも透析を中止するわけにもいかず、患者さんが吹き飛ばされずに無事病院に到着してくれることを祈りながら透析の準備をしている状況です。泌尿器科の教授が部長なので実際の臨床の場では泌尿器科の医師が働くことが当然多くなりますが、やはりこれだけの患者さんを診るには人手が足りず、泌尿器科の手術日である水曜日と木曜日にはそれぞれ3内科、2内科の先生がたの応援をお願いしております。この紙面を借りまして先生方のご協力に感謝の意を表したいと思います。いつもありがとうございます。
 当院は血液透析の導入病院としての機能を果たしています。透析導入時の患者さんの意気消沈は医療者の予想以上のものです。透析に関する間違った知識のためにうつ状態になる患者さんも少なくありません。そのため導入期における患者指導は今後の透析治療に影響してくるために非常に重要となってきます。したがって治療の間ずっとそばにいる透析看護師が患者指導に重要な役割を果たしています。4時間以内という限られた時間の中でシャントを穿刺し、機械を調整しながら血圧を計り、世間話をしながら透析の知識を教えるという離れ業をやってくれています。多数の患者さんを短期間に把握し、適切な指導をして他院に紹介しなければなりません。いい加減なことをすれば他院からクレームがきます。短時間に多くの仕事をこなさないといけない職場で、気遣いといたわりの心を持ったスタッフたちは今日もがんばっています。