ホーム ⇒ 会報-Vol.14-1top ⇒ 開院から2か月:こども医療センターの現状
 
Vol.14 - 1
2006/07/05発行

増田昌人  開院から2か月:こども医療センターの現状 
 
    県立南部医療センター・こども医療センター小児科 當間 隆也(3期生)
 平成元年卒、三期生の當間です。小児科で先天異常、臨床遺伝学を専門にしています。この写真は5年ほど前に撮影したものですが、現在は10kg以上減量し細くなっている事を補足します。
 さて、今年4月、「沖縄にこども病院を」という20万人の署名に後押しされ、県立南部医療センター・こども医療センターが開院しました.小児科医にとってこども病院で働く事は喜びでもあり誇りでもあります。が…。開院から2か月を過ぎたこども医療センターの現状を報告したいと思います。
 センターはこども病院を併設した総合病院で、434床のうち120床がこども医療センターです.小児内科系のスタッフ18名と後期研修医が3名おり、初期救急から高度医療まで対応しています.開院当初、電子カルテを使いこなせるかという懸念がありましたが、今では電子カルテの不具合が大問題になっています。安定するにはまだまだ時間がかかりそうです。
 小児科で一番困っているのは救急の問題です。24時間救急に対応していますが、成人を含めて1日の患者数は100名を越え、その約7割は小児です。ほとんどが軽症で処方を必要としない場合も希ではありません。準夜帯と深夜帯の来院が約6割を占め時間外小児科診療状態になっています。待ち時間が長く患者さんからのクレームが絶えません。当院でフォローしている患者さんも長時間待たせる事になり心苦しく思います。入院となるのは喘息や肺炎がほとんどで病棟は常に満床です。開業医の先生方からの入院依頼をお断りせざるを得ない場合もしばしばです。当院でフォローしている患者さんや重症患者さんなど、当院が関わるべき患者さんを入院させる事が難しく大変困っています。一方で救急医も小児科医も研修医も看護師も圧倒的なマンパワー不足で疲弊しています。入院後のフォローに十分な時間がかけられずこれまた患者さんからのクレームが絶えません。高度医療を実践するためには時間と余裕が必要ですが、日々時間に追われている毎日です。個々のスタッフには恵まれていますがシステムとしては絶対的なマンパワー不足で、スタッフの力が十分生かされていません。
 そんな訳で、県民の求めるこども病院の実現のためにはもっともっと人が必要です。小児科は確かに忙しい.でも、こどもたちの純粋さとあり余るパワーが小児科医のエネルギー源なのです。小児科医が“絶対小児医療センターで働きたい”と目標にするような環境を整えていく役割が私たちスタッフにはあると思っています。前途多難で道は険しく言うは易しですが…。