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Vol.11 - 2
2004/01/10発行

 
 近況報告 
 
「メーリングリスト中毒?」
町田 孝 まちだ小児科
  町田 孝(2期生)
 いつの間にか「メール」と言えば郵便の事ではなくe-mailを指す世の中になった。私も初めは遊びで始めたつもりのパソコンが、情報収集やコミュニ ケーションの重要な道具になっている。そしてパソコンの知識はいまだに初心者レベルなのにいつの間にか様々なメーリングリストにどっぷりつかり、ついに はMLの管理人までするようになってしまった。私が入っているMLのいくつかをご紹介しましょう。
1)琉大医学科2期生ML「昴」
 これは琉大医学科でも鉄の結束を誇る2期生のMLである。開設者は古堅隆司君。メンバーの近況報告や診療で困ったケースの他科専門家への質問などにも 利用されている。これから年末にかけては新年会の計画立案などに大いに役立つ季節となる。
2)熱帯医学研究会(熱医研)OBML
 琉球大学医学部の文科系サークルでも特に目立っていた(と自負する)熱帯医学研究会の卒業生のMLである。最近ではラオスで活躍する宮城啓君(6期 生、第一内科)の様子が報告され、学生時代の熱気を昨日のように思い出した。
3)小児科フリートークメーリングリスト
 東京の開業医宝樹先生が主宰される会員数1000名を越す巨大ML。そのメール数も半端ではないが「バーチャル医局」というコンセプトにて医局の雑談 のように何でもOKという話題の幅広さが魅力。
4)沖縄小児科ワイワイトークML
 上記の「小児科フリートークML」をまねて作った沖縄阪のML。沖縄の小児医療に関しての激論からちょっとした疑問点、愚痴までと幅広い内容。
5)沖縄はしか"0"応援ML
 沖縄の「はしか"0"プロジェクト」を支えるために開設したML。医師のみならず、県や市町村の行政担当者、保健師などもメンバーに多数参加。実際の はしか発生情報やはしか対策の意見交換など。
6)はしかゼロ対策小児科医協議会ML
 同名の協議会のML。はしか撲滅を願う医師のMLとして門戸を広く運営し、メンバー数は200名近い。時にはリアルタイムに全国各地から寄せられるはしか流行の状況にネット時代の有用性を感じる。志を同じくする多くの人がMLの場で熱く議論している。このMLで生まれる様々なアイデアが日本におけるはしかゼロへの大きな力になると確信している。
 こんな感じでメール中毒とも言える状態の私なのだが、MLを通じて知りあえた人から色々な影響を受けている。本当に尊敬できる人とも数多く出会う事ができた。そして自分の生き方も良い意味で変ってきたように感じる。インターネットの弊害も色々言われてはいるが、私にとっては素晴らしい出会い作ってくれる大切な道具である。
 学会の時など、わりと有名な先生と話したりすると、それを見た人から「○○先生とお知り合いなんですか?!」と聞かれることがある。そんな時「いや あ、メル友なんですよ」と言うと相手が目を白黒させる。これって痛快である。
ラオス便り
宮城 啓 在ラオス日本国大使館医務官
   宮城 啓(6期生)
 同窓会会員の皆様いかがお過ごしでしょうか。6期の宮城啓(みやぎ けい)と申します。現在、感染病態制御学講座分子病態感染症学分野(第一内科)に所属しています。2003年4月より在ラオス日本国大使館に医務官として勤務しています。家族4人で首都ビエンチャンに滞在しています。ラオスは東はベトナム、南はカンボジア、西はタイ、北は中国とミャンマーに囲まれています。人口は約500万人と言われています。国の正式名称は、Laos People's Democratic Republic(ラオス人民民主共和国)と言います。のどかな国で、私の故郷の屋我地を思い出させてくれます。我が家もそうですが、どの家も大抵は大なり小なり庭があり、マンゴーとココナッツとバナナの木があります。4月、5月は家の門番さんに毎日マンゴーを取ってもらい、家族で毎食楽しみました。
 さて、仕事の方も周りの有能な方々のお陰で楽しくやっています。医務官の仕事は初めてで、赴任当初は外務省の独特の言い回しや、東京への発電業務(何かあればすぐ当館大使に連絡し、その旨を東京に発電する)に慣れませんでしたが、赴任当日から従事しているSARS関連業務のため、予想よりも早く慣れることができました。現在世界73カ国に75人の日本人医師が外務医務官として勤務しています。国や地域によって仕事内容はだいぶ変わると思いますが、基本は日本大使館の館員及び館員家族の健康管理です。私は、当地ラオスしか知りませんのでラオスのことを記します。在ラオス日本大使館は規模的には小さい館で、外務省から派遣されている職員は大使以下15人で、その他現地職員20人程度です。患者は多くはありませんので、当地在留邦人(約400人)や邦人旅行者の診療や健康相談にも従事しています。当地では外国人が安心して入院できる施設は皆無なので、入院が必要と私が判断した場合は、隣国タイを勧めています。タイ東北部のノンカイ県とラオスの首都ビエンチャンは、メコン川に架かる友好橋を利用して陸路での往来が可能なので、それ程大した病気でなければ当地ビエンチャンから乗用車で1時間半のウドンタニ県の病院に入院してもらっています。しかし、ウドンタニ県はラオスからすれば都会でも、タイからすれば最貧地域であり、決して医療設備やスタッフの質は十分なものではなく、患者さんの希望、あるいは私の指示で、空路バンコクに入院する方もいます。バンコクまでは空路1時間で、1日2便ありますので、使い勝手が良くわりと利用しています。今年は例年以上にデングウイルス感染症が流行しており、確認されているだけでもラオス全土で15,000人の患者が発生し、57人が死亡しています。雨季が終わった現在でも毎週300人前後が罹患しています。首都ビエンチャンで9人の邦人デング出血熱患者を診察しましたが、内4人はバンコクへの空路移送の指示を出しました。その後、皆回復しています。
 当地ラオスはこれから2月までは、わりと過ごしやすい時期になります。お近くにお越しの際にはどうぞ御一報下さい。まとまりのない文章になってしまいましたが、同窓会会員の皆様の益々の御健康と御発展をお祈り致します。