同窓会会員の皆様いかがお過ごしでしょうか。6期の宮城啓(みやぎ けい)と申します。現在、感染病態制御学講座分子病態感染症学分野(第一内科)に所属しています。2003年4月より在ラオス日本国大使館に医務官として勤務しています。家族4人で首都ビエンチャンに滞在しています。ラオスは東はベトナム、南はカンボジア、西はタイ、北は中国とミャンマーに囲まれています。人口は約500万人と言われています。国の正式名称は、Laos
People's Democratic
Republic(ラオス人民民主共和国)と言います。のどかな国で、私の故郷の屋我地を思い出させてくれます。我が家もそうですが、どの家も大抵は大なり小なり庭があり、マンゴーとココナッツとバナナの木があります。4月、5月は家の門番さんに毎日マンゴーを取ってもらい、家族で毎食楽しみました。
さて、仕事の方も周りの有能な方々のお陰で楽しくやっています。医務官の仕事は初めてで、赴任当初は外務省の独特の言い回しや、東京への発電業務(何かあればすぐ当館大使に連絡し、その旨を東京に発電する)に慣れませんでしたが、赴任当日から従事しているSARS関連業務のため、予想よりも早く慣れることができました。現在世界73カ国に75人の日本人医師が外務医務官として勤務しています。国や地域によって仕事内容はだいぶ変わると思いますが、基本は日本大使館の館員及び館員家族の健康管理です。私は、当地ラオスしか知りませんのでラオスのことを記します。在ラオス日本大使館は規模的には小さい館で、外務省から派遣されている職員は大使以下15人で、その他現地職員20人程度です。患者は多くはありませんので、当地在留邦人(約400人)や邦人旅行者の診療や健康相談にも従事しています。当地では外国人が安心して入院できる施設は皆無なので、入院が必要と私が判断した場合は、隣国タイを勧めています。タイ東北部のノンカイ県とラオスの首都ビエンチャンは、メコン川に架かる友好橋を利用して陸路での往来が可能なので、それ程大した病気でなければ当地ビエンチャンから乗用車で1時間半のウドンタニ県の病院に入院してもらっています。しかし、ウドンタニ県はラオスからすれば都会でも、タイからすれば最貧地域であり、決して医療設備やスタッフの質は十分なものではなく、患者さんの希望、あるいは私の指示で、空路バンコクに入院する方もいます。バンコクまでは空路1時間で、1日2便ありますので、使い勝手が良くわりと利用しています。今年は例年以上にデングウイルス感染症が流行しており、確認されているだけでもラオス全土で15,000人の患者が発生し、57人が死亡しています。雨季が終わった現在でも毎週300人前後が罹患しています。首都ビエンチャンで9人の邦人デング出血熱患者を診察しましたが、内4人はバンコクへの空路移送の指示を出しました。その後、皆回復しています。
当地ラオスはこれから2月までは、わりと過ごしやすい時期になります。お近くにお越しの際にはどうぞ御一報下さい。まとまりのない文章になってしまいましたが、同窓会会員の皆様の益々の御健康と御発展をお祈り致します。 |