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Vol.12 - bP
2004/07/09発行

 − お気に召すまま − 
 
琉大内分泌代謝内科学 比嘉 盛丈(4期生)
 
 当教室には内分泌・代謝学、循環器学、血液学の3つのグループがあり、高須信行先生以下30人強の医局員で分担しています。各グループの対象となる疾患の性格が異なるためか属する医局員の性格もそれぞれに特徴があるようです。あえて一言ずつで表現してみますと、おっとり、やんちゃ、誠実、といった性格の方が多いようです。と言ってはみても、みな個性豊かで自我がしっかりしているのです。それではそのような大所帯の教室が一丸となるための共通目標とは一体何でしょうか。教授はあえて「教室の目標」といった形式で表現したことはないようですが、先生の口癖「好きにしていいよ」から察するに、それは「自由」ということなのかもしれません。自由というのは、個々の医師が患者さんと向き合って色々なことを自由に感じて、必要と感じた知識や技術を自由に学んでいくこと。そういった自然の流れの中で成長していく際に、その原動力となる「感性」をこそ大切にしていくこと。基礎研究であれ臨床経験であれ、もしも自分には県外専門機関での経験が必要だと感じる者があれば、そこに行けるように皆で一致協力していく。個々人の感性を大切にする。その点はいずれのグループにも共通なようです。海外だろうと県外だろうと、本人の気持ち次第で留学に行けるのは本当に有り難いことだと思います。たとえば留学先を海外に限定しても、その経験者は現医局員中9人になります。すでに同門となった方々を含めるとこれまでの海外留学先は実に10カ所以上、のべ15人以上になります。自分で海外の留学先を見つけてきたものも多いようです。このやる気を生み出す力こそ「自由ゆえ」なのかもしれません。これは教授の器もさることながら、各グループ長や病棟をあずかる医局員たちなど多くの方々の理解なくしてはありえないことでしょう。同じ場所にいて、同じ患者さんに接しても感じるものはそれぞれに違います。感性の異なる者同士が互いに膝を交えて感じたものを語り合うと、そこでまたそれぞれの中に何かが生まれるようです。違うものに触れる時にこそ人間としての幅が生まれてくるのかもしれません。グループを越えた議論にもまた新しい発見があるようです。現在、海外3人、県外10人以上の医局員が留学中です。彼らが帰って来たときにはまた、彼らが感じてきた新しい何かに触れさせてもらえることでしょう。