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Vol.12 - 2
2004/12/01発行

大内 元 若井貴美子  日本医学教育学会大会に参加して  

            
医学科6年 大内 元・若井 貴美子
琉球大学医学部医学科では、一昨年から学生が主体となり、5、6年次を対象とした「臨床実習についてのアンケート調査」を実施しています。このような調査は全国的にも珍しいことから学内だけに留めておかず、医学教育における臨床実習がさらに充実したものになるように、学生側からフィードバックすべきであると考えていました。時を期せずして、今年7月30−31日に高知で開催された第36回日本医学教育学会にて2つの演題として発表させて頂く機会を得ました。学会参加にあたり、同窓会から多大なご支援を頂きましたので、ここにご報告させて頂きます。
 1つは学生の実習回数と自信度との関係を、各クリニカルスキルについてのアンケート調査に基づき「卒前教育におけるクリニカルスキル向上のために必要な要件」について考察しました。分析の結果、実習回数が多いほど学生はクリニカルスキルにより自信をつけていく傾向にあり、自信がつくまでの実習回数はスキル項目により異なることが示されました。また、学生の積極性により実習回数が異なるスキルもありました。このことから、スキル向上のためには、各スキル項目にあわせた実習と学生の実習への積極的な取組みが必要であると考えられました。会場からは、「臨床実習に入る前に練習しておくべきでは?」「学生よりも指導者側の問題が大きい」「調査はすべて自己申告か?」など今後の参考になる貴重なご意見をいただきました。
 2つ目は「臨床実習における自己学習の効果」と題し、実習に際し自己学習を行った学生は実習内容にも満足し、またその成果も高いという結果から、実習に学生側も自主的に取り組んでいくことの重要性を明らかにし、積極的な姿勢が求められるクリニカルクラークシップの導入を求めました。質疑応答の場では、内容に関する質問の他に、「自己学習をさせるためには学生にどのように促せばよいと思うか」「琉球大は学生が毎年アンケートを継続しているけれどもそれはどのようにしたらうまくやっていけるのか」という質問がありました。後者の質問に関しては、調査を自由にでき、フィードバックをきちんと受けとめてもらえる環境、またいろいろな場面で協力してくださる先生方の存在が大きいと答えました。
 学部生ながら、このように学会発表という大変貴重な経験を得ることができました。また、学生側からの視点を医学教育学会で発表できたこと、琉球大学を少しでもアピールできたことを嬉しく思っています。これもひとえにご支援を頂きました同窓会ならびに同窓会会員の皆様のおかげです。この場をお借りしまして、改めて御礼申し上げます。
 
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