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Vol.13 - 1
2005/01/05発行

 大学人から勤務医へ 

琉球大学名誉教授(前臨床血液免疫検査学) 荒木 弘一
 

 私は現在一臨床医として、勤務しております。5月からの勤務ですからほぼ1ケ月過ぎたところです。
大学においては学生諸君に対する講義あるいは実習、診療をしながら実験、研究と慌ただしい毎日をすごしてきました。一臨床医となって静かに過去を振り返ってみると、大学時代における走馬灯のように思い出されます。熊本大学時代、琉球大学時代の苦しかった(悲しかった)ときのこと、楽しかった(嬉しかった)ときのこと、....。
 ERYTHROPOEITIN/GRANULOPOIETIN/THROMBOPOIETINなど造血ホルモンの抽出・精製に関する仕事、ADUROT CELL LEUKEMIA ACQUIRED IMMUNODEFICIANCY SYNDROME,MONE MARROW TRANSPLANTATION等など。こう言う仕事は多数の先輩・協力者がいて、十分な実験施設があって初めて成し遂げられるものであります。私自身はこういう仕事をして満足していたのですが、今後皆様方は大きく3つの性格を持った人に育っていくのではないかと考えています。

  1. 医学に何らかの貢献をしたいと考える方:これらの人々はよい指導者のいる大学その他の研究室に残り、若いときには仕事をすすめていただきたいとおもいます。
  2. また臨床医として貢献をしたいと考えている人:これらの人々は、病気を知り、しかもあらゆる薬の薬効・アレルギー・副作用を知る必要があると思います。
  3. 今、患者様の大部分が高齢者で心身症あるいは物療内科的取り扱いを要する人が多く、特にうつ病的対応を要する場合が大変多くなっています。こういう患者様を扱う医師になりその対応策を考えて頂きたいと思います。

 大学の教官から勤務医となった一先輩として、次世代を担う皆様方に大いに期待し、琉球大学のそれぞれの分野から飛躍的に発展し琉球大学の名を上げてそして継いで行かれることを期待します。